プードルさんのリボンカットやおぱんつカット、フルコートスタイルにしているコッカーさんやヨーキーちゃん
はたまたカラーリングをしているわんちゃん。
ゴージャスで、とてもおしゃれで若いうちはどんどんいろんなカットスタイルを試していって
一番似合うお気に入りのカットを見つけること、とても素敵だと思います。
そして、せっかくそういうスタイルにできるわんちゃんを飼っているんなら、色んなカットスタイルを試して欲しいですし、トリマーに相談していただくのもおすすめしています。
↑犬のカットスタイル集から抜粋
でも10歳までです!
シニアになったら余計な時間がかからないカットスタイルに徐々に移行しましょう。
今の時代のわんちゃんは10歳でもまだまだ元気な子が多いから一概には言えませんが、目安として10歳がひとつの区切りだと思っています。
いきなりつんつるてんにするんじゃなくて、体だけバリカンかけるとか、足を細めに作ってみるとか徐々にですよ
こだわりのスタイルを持つことは良いことですし、うちの子にはこのスタイルが似合うってわかってることとても素敵なことだと思います。
でもわんちゃん自身のこともちょっぴり考えてみて欲しいんです。
フルコートやデザインカットにしているわんちゃんほど、お手入れが行き届いていなくてもつれまくってる子も多いです。
もちろん毎日ちゃんとブラッシングしてお手入れ完璧にしているスーパー飼い主さんもいらっしゃいますが、そういう方はごく稀です。
では、お手入れを普段から全くされていなくて毛も長くゴージャスなスタイルにしているわんちゃんが2~3ヶ月に1度来店されるとどうなるでしょう?
わんちゃんに対して余計な負担のかかるもつれときをすることになります。
それも普通のカットにしている子に比べるともつれも半端じゃないです。
もつれているところは毛が痛んで余計にもつれやすくなっていますし、フェルト状になっていたり毛同士が引っ張られて
ひどい時には皮膚がうっ血状態になっていたりします
他のわんちゃんと違うゴージャスなスタイルをするのであれば、飼い主さんも他の飼い主さんがしていない特別な努力が必要です。
毎日のブラッシング、定期的なシャンプー、手間もお金も普通のカットにしているわんちゃんに比べて当然ですがかかってきます。
本来フルコートやデザインカットをしている子は飼い主様の普段のお手入れ、もしくは通常のカットをしているわんちゃんよりも短い期間でシャンプーに連れてくることが必須になってきます。(具体的なシャンプーの目安は2週間に1回です)
お手入れはできない、お金もそこまでかけられない、、、
のであれば、通常のカットにすることをおすすめしています
お手入れ方法が分からなければ私たちプロに聞いてくださいね!
若い時なら余計な負担のかかるもつれときもまだ体力があるのでわんちゃん自身も割と元気です。
でもシニアになってからも同じような負担を犬に強いることはポコアポコではできません。
だってわんちゃんにとってすごく辛いことです。。
本来、おうちでしっかりお手入れor短期間でのシャンプーでの来店が行き届いていれば、1時間ももつれときで立たなくていいんですもん
それからシャンプー&カットでさらに2~3時間。
いつもの倍時間がかかります。
ゴージャススタイルにしているんなら、ドライヤーももちろん時間が余計にかかります。
バリカンでスッキリしている子に比べると、立っていなければならない時間も長くて
当然、わんちゃんの負担もかなり大きいです。
たまに、どんなにもつれとき代かかってもいいからバリカンだけはかけないで短くしないでっていう飼い主さんがいます。
わんちゃんに負担がかなりかかりますよー、1回リセットしてそこからまた毛を伸ばしませんか?
とご説明しても「それでもいいからやって!」な飼い主さん、たまにいらっしゃいます。
犬は家族なの?それともお人形さんなの?と疑問に思います。
↑フルコートってこんな感じ。
毎日のブラッシングが必須です
人で例えるなら、
普段のスキンケアを全くしないのにたまに行くエステで誰よりも綺麗なお肌を目指すとか
毎日暴飲暴食してるのに、たまにジム行ってインストラクターに全然痩せないんだけど?!て文句言うとか
歯を毎日磨かないのに虫歯ができないようにしてって歯医者さんに無茶ぶり言うとかそんなレベルのことです。
人に例えるとだいぶわかりやすいですね
あなたたちトリマーはプロだからもつれときぐらいできるでしょ!と考える方もいらっしゃるかもしれません。
もちろんできます。わんちゃんの感情を無視すれば。。。
私たちは仕事としてやっているので、ご注文と違うスタイルに勝手にするようなことはもちろんしませんが
もつれときをしながら「ごめんね、お父さんお母さんを説得できなかった、きついよね、ごめんね」と心の中で呟きながら仕事してます。
自分の説明がうまくできなかったのか、どうすれば納得してもらえるのだろう?犬に辛い思いをさせるためにトリマーになったわけじゃないのにな、と自分の無力さを痛感します。
犬の10歳というとだいたい50代後半~60歳程度。
体力の衰えを感じ始める時期でもあります。
少しスッキリなカットになったとしても、かわいい家族であるのには変わりありません。
若い頃はおしゃれなカットをたくさん試してください。
いくらでもゴージャスにしちゃってください、デザインカットもトリマーにどんどん相談してください♪
そしてその子との思い出をたくさん作ってください。
でもね、10歳過ぎたら少し考え方を変えてみるんです。
今までたくさんおしゃれなカットにさせてくれてありがとう、これからはあなたが生活しやすいカットにしようねって思えたら、それはそれはステキな飼い主さんだと思いませんか?