犬のトリミングって高いよな~

 

犬を飼ったことのないよく知らないおじさまから言われる言葉です。

 

 

「そんなかかるの?!」
「たかっ!!」
「俺なんか1000円カットなのに」
「犬なのに贅沢だな~」

 

なんて。

 

「犬の美容師さん」

 

トリマーってそう言われることが多いのですが、トリミングの仕事である
カット&シャンプーはひとつの仕事の内容であって、実はそれ以外にも犬に関する様々な仕事を1度のトリミングでやっています。

 

まずは、爪切り。

 

犬の爪は、人間のものと違って円柱状の形をしています。
その爪の中に血管と神経が通っています。
(なので深爪すると爪から血が出てしまいます)

 

 

私たちは、犬に負担がかからないように保定して、血管や神経を切らないようにギロチン式の専用爪切りで切っていきます。

 

大人しい子ばかりではありません。
私たち人間がひとりひとり違うように、犬たちも性格に個性があります。
鈍感な子・敏感な子・嫌がって噛み付く子・暴れる子。

 

人間なら「はーい、ちょっと今動かないでくださいねー!痛くないですよ~」と一言いえばきっとじっとしてくれているのでしょうが、わんちゃん達に言葉は通じませんので、爪切りを嫌がる子には、あやしながら、他に気をそらせながらと様々な工夫をして爪を切っていきます。

 

そしてその後は1本1本やすりがけをしていきます。

 

 

次に耳掃除。

 

犬種によっては耳の穴の中に毛が生えている子がいます。
シュナウザーさんとかは特に穴の奥が見えないほどびっしり生えていたり。
うちでは基本耳毛が生えている子は状況にもよりますが耳毛を抜きます。
鉗子という道具を使って、直径1cmにも満たない耳の穴から毛を抜いて、ある程度お掃除しやすくしてからイヤーローションで丁寧に汚れを拭き取ります。

 

健康的なお耳の状態の子ばかりではありません。
耳が腫れている子、脂っこい耳垢が出ている子、トリミング周期が延び延びになって、ただ耳の中が汚れまくってる子。

 

爪切りと同じように嫌がるわんちゃんもたまにいます。
不意に動き回るわんちゃんの直径1cmにも満たない耳の穴を鉗子を使いきれいにすることが、決して簡単な作業ではないことが想像に難くないでしょう。

 

きっと人間なら「はーい、すぐ終わりますからじっとしててくださいね~」と言えば
…以下略

 

 

 

そして次にブラッシング。

 

短毛犬種や丸刈りのツルツルスタイルでない限り、お家で1ヶ月何もお手入れしなければ必ずどこかはもつれています。

 

もちろんもつれはある程度取ってからシャンプーに入るのですが、たま~~~にガチガチのフェルト状になった子も来店します(だいぶそういう子は減りましたけど)

 

フェルト状になっていると、中で皮膚と皮膚が引っ張られて酷い子になるとうっ血している子もいるんです。
そういう子は問答無用で1mm~2mmのバリカンでフェルト状になった毛を刈ります。
(軽いもつれならときますが、フェルト状のもつれはわんちゃんの負担が過度にかかるので)

 

皮膚と毛がガチガチに密着した状態から、刃物であるバリカンを使い、バリカンの角度と犬の身体の構造、皮膚を傷つけやすい箇所に気をつけながら怪我させることなく刈り取ることは熟練した技術と経験が必要になります。

 

ちなみに犬の皮膚の薄さは人間の赤ちゃんより薄いと言われているんです。

 

 

 

 

そして次に肛門腺絞り

 

シャンプーの時に必ずするのが肛門腺絞りという作業です。

 

犬の肛門の左右1箇所ずつに肛門嚢というのがあり、ここから臭い臭~い液体もしくは粘土状のものがあるのでそれを絞りとります。

久々のトリミングの子は特にたくさん肛門腺が溜まっているので、絞るときに痛がる子が多いです。

(1ヶ月に1度はシャンプーに連れていきましょう)

 

大型犬なら排便時に自然と出せちゃいますが、小型犬になると定期的に絞ってあげないとどんどん溜まっていき最悪肛門嚢が破裂してしまいます。
(私も1度だけ学校の時に見た事があります。肛門の横に穴があいてたの😲)

 

肛門腺が溜まりやすい子、溜まりにくい子、固い子、液体状の子、肛門腺も百人十色です(しみじみ😊)

 

 

 

そしてシャンプー。

 

ここまでの作業の中で、その子のトリミング周期、皮膚の状態、脂っこさはどれぐらいか等ある程度把握出来ているので、その子にあった最適なシャンプー剤を選びます。

 

皮膚トラブルのある子には通常のシャンプーよりも肌に優しいものを選び、久々のトリミングで汚れている子にはしっかり汚れが落ちるものを選び、脂っこい子にはクレンジングオイルを使い、シャンプーをしていきます。

 

お鼻にお湯が入らないように目にシャンプーが入らないように注意しつつ、汚れやすい箇所、洗いにくい箇所も洗い残しがないように丁寧に洗っていきます。
幸い、ポコアポコでは光マイクロバブルを導入しているので汚れ落ちはよく、かつわんちゃんの皮膚にも優しいというシャンプー方法をとっているのでこの点は安心して頂きたいです。

 

 

 

 

そして次にドライング。

 

スリッカーという道具を使いながら、隅々まで丁寧にブラシを入れて乾かしていきます。
ここでも私たちはただ乾かしているわけではありません。
ドライング時は、ドライヤーの風のおかげで皮膚の隅々まで見ることができます。

 

ここでチェックしなければならないのは、前回のトリミングから何か変わった箇所がないかどうか。
イボができていたり、大きくなっていたり、しこりができていないかチェックします。
脱毛や赤みなどもないか、被毛をしっかり伸ばしながら確認しています。

 

 

ドライヤーの温度もチェックして、なるべく犬に負担がかからないように様子を見ながら乾かしていきます。
前足が敏感な子、お顔のドライヤーを嫌がる子、初めてのシャンプーに来る子犬、シニア犬。
そういう子達には風量や風の向きに注意しながら優しく乾かしていきます。

 

 

 

 

(↑私の実家のわんこ♡毎月帰省して3プードルカットしてます。)

 

 

そしてドライングが終わりいよいよカット。

 

ここでもわんちゃん達はもちろん動きます。
私たちトリマーが使っているハサミは、お家で使うハサミの何倍もの切れ味を持っているので皮膚にちょっと当たっただけでもスパッと切れてしまいます。

 

わんちゃんの不規則な動きを予想しつつ、怪我をさせず飼い主様の理想のスタイルにカットしていきます。
ちょっと動いたり眠ってしまうのはまだかわいいほうで、中にはハサミに噛み付いてくるわんちゃんもトリマーなら誰しも1度は出会ったことがあるんです。

 

 

 

そして最後に飼い主様へお返し。
ここが実は1番大事な場面だったりします。

 

このトリミングという一連の作業の中で、わんちゃんの気になったことをご報告します。

 

もし、皮膚に赤みやイボ、しこりがあったら報告し(前回から大きくなってないか赤みがひどくなってないか)、目やには出てないか、涙やけは?体重は?関節が弱い子だったら前回より外れやすくなってない?足の裏は腫れてない?

 

作業の合間合間にトイレに出しますが、その時のおしっこやうんちの状態(色やにおい)、その他にも沢山チェックしている部分があるのでそれをご報告し、もし何か気になることがあれば今後の対策や改善策をお話ししていきます。

 

毎月来てくれている子は体重を測っているので、ぽっちゃり気味の子にはダイエットのアドバイスや方法(これも飼い主様の性格やわんちゃんによって変えます)

皮膚トラブルのある子には、まずは現在の食生活をお聞きして、ごはんのアドバイス。

お家で何か気になることがないかもお聞きして、それにあった対策をご提案します。

獣医さんで迷ってる方がいらっしゃったら、信頼のおける獣医さんを紹介。
そしてわんちゃんのトリミングの時の様子も一緒にお話しします。

 

 

 

特にポコアポコでは、飼い主様と一緒になって健康管理をしていく、というのが目標です。
「健康に過ごすにはまず食生活から」という考えの元、食生活のアドバイスには特に力を入れています。

 

そして、健康管理をするには定期的なトリミングが必要不可欠なのです。

わんちゃんの1ヶ月は人間で換算すると4ヶ月。

 

もちろんわんちゃんを綺麗にしてもっと可愛くすることはトリミングの大きな役割ではありますが、それよりももっと大事な事は飼い主様と一緒に作り上げる日々のわんちゃんの健康管理ではないでしょうか?

 

なので、最低1ヶ月に1度はトリミングというのは健康管理の上でも大切だと考え推奨しています。

 

まとめると
トリミングってシャンプーしてカットするだけじゃないんです。(特にうちはそう思っています)

 

 

人間で言うと、爪切りをして形を整えて、耳掃除も痛くなく優しくしてあげて、赤ちゃんを沐浴させるようにお風呂に入れてあげて、ふわふわの優しいタオルで包んでドライヤーの温度に注意しながら丁寧に全身を乾かして、可愛く時にはかっこよくカットして、そして大事な健康管理と食事のアドバイス!

 

さぁそれでもトリミングって高いと思いますか??